--- 検査機器・可能な検査 ---

 

モストグラフ

ぜんそくやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの疾患では、気道が狭まるため、呼吸が困難になります。この呼吸の難しさを示す指標を呼吸抵抗と呼びます。モストグラフは、数秒間普通に呼吸しているときの呼吸抵抗の変化を立体的なグラフで表示する装置です。検査を受ける方には、普通に呼吸していただくだけで評価できます。

結果は色分けされて表示され、正常な場合は緑で表示されます。呼吸抵抗が強くなるにつれて、黄色から赤、そして青というように、異常が段階的にわかりやすく表示されます。呼吸抵抗を3Dグラフで表示することにより、呼気と吸気による変化(呼吸周期依存性)や周波数による変化(周波数依存性)を見ることができます。

気管支ぜんそくやCOPDなどの疾患には、それぞれ特有のパターンがあります。例えば、COPDでは呼吸抵抗が高く、呼吸周期や周波数に依存した変化が見られます。一方、気管支ぜんそくでは呼吸抵抗が高いものの、周波数や呼吸周期への依存はあまり見られません。

モストグラフは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支ぜんそくの診断だけでなく、治療効果の確認にも役立ちます。また、ぜんそくの治療がうまくいっているかどうかを判断することもできるので、ぜんそくの管理に有用です。検査は3~4歳から可能です。咳がある場合など、その咳がぜんそくかどうかを判断することも可能です。前述のとおり検査方法は、マウスピースを口にくわえるだけで行います。この検査の導入により、これまで肺機能検査が難しかった小児のぜんそくや咳の治療と管理が可能となります。

モストグラフは「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022〔第6版〕」にも詳しく取り上げられています。

~ Q&A ~

Q:スパイログラフィーとは何が違うのですか?
A:
スパイログラフィーは、肺活量や一秒量を測定して気道全体の状態を評価します。
   一方、呼吸抵抗検査は、気道の状態を太い気管支や細い気管支などの部位ごとに分けて評価できます。

Q:この検査とスパイログラフィー、両方を受ける必要はありますか?
A:
スパイログラフィーの結果には変化が見られなくても、呼吸抵抗検査で異常が見つかる場合があります。
   両方の検査を受けることで、より多角的な診断が可能です。

Q:検査時に注意することはありますか?
A:
特に注意点はありませんが、体に力が入っていると正確な検査ができません。
   マウスピースをくわえて普通に呼吸するだけなので、リラックスして検査を受けてください。
   また、検査前の喫煙は避けてください。

健常者

潜在的なぜんそく疑い
(気管支拡張薬吸入前後)

ぜんそく疑い
(呼吸抵抗は高いが、周波数依存性は認められない)

COPD疑い
(周波数依存性が認められる)

 

スパイロメーター

呼吸機能や肺活量を測定するための医療機器です。
ぜんそく(喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患をはじめとする、呼吸器の病気が疑われるとき、その状態をみる目的にて行う検査です。
息を吸ったり吐いたりして息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。
スパイロメーターを使用することで、肺活動や呼吸のパターン、肺機能障害の程度などを詳細に評価することができます。

 

超音波検査装置(エコー)の更新についてのお知らせ

当院では、患者様の安全と快適性を第一に考え、最新の医療技術を導入することで、より質の高い医療を提供できるよう努めております。
このたび、超音波検査装置(エコー)を、AI機能を搭載したFUJIFILM社製の最新型の最上位機種へと更新いたしました。
これにより、より精密な診断結果を提供し、患者様の健康管理、治療計画の立案、そしてフォローアップに役立てると考えております。 

超音波検査の結果は、医師から患者様へ、画像を一緒に閲覧しながら説明させていただきます。
また、超音波検査は、熟練度の高い専任の臨床検査技師が担当しますので、安心してご来院ください。
超音波検査対象部位は頸動脈、甲状腺、心臓、腹部、表在、下肢動脈、下肢静脈、その他になります。
下記貼付の動画は、左から順に、腹部エコー画像、頚動脈エコー画像、心臓エコー画像です。

ご不明な点やご質問がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
今後も、より良い医療サービスをご提供できるよう努めてまいります。

腹部エコー

頸動脈エコー

心臓エコー